設計・全体の流れ
住宅の設計の場合の全体の流れ
標準的な規模の木造住宅で新築する場合、どのくらいの期間がかかるのか?という内容を例に全体の流れの目安をご説明します。
1.まずはご相談から
ご相談は随時受け付けております。
これから家づくり、住まいづくりをお考えの方はお気軽にお問い合わせください。
すでに決まっている土地や敷地の状況やご要望、予算のコトなど具体的に決まった話でなくても大丈夫です。
また、これから土地を探す段階でも相談はOKです。
「この土地でどれくらいの家が建つのか?」という相談でも構いません。
まずは、お気軽にご相談してください。
現在は、メール、チャット(Discord)や、ZOOMでのやり取りや打合せも積極的に行っております。
相談するのに必要なものは?
ご相談いただく時に、土地が決まっていれば、土地の資料。
住まいに対してのご要望をメモしていただいてもいいと思います。
イメージされている写真や雑誌なんかがあるのもいいかもしれません。
他にもお伝えいただけるきっかけになるものがあればご用意ください。
最終的にお話を伺って全体をまとめていきます。
これから住まいづくりをご検討されている方には間取りのメモシートをお渡ししています。
間取りのメモシートはQ&A方式で書き込めるようになっています。
相談するのに費用はかかりますか?
ご相談には費用はかかりません。
ただし、遠方への敷地調査になる様な場合は別途交通費等が必要になる場合がありますので、ご相談ください。
お問い合わせのページを設けていますので、こちらからお問い合わせください。追ってご連絡を差し上げます。
2.プレゼンテーション~基本設計契約~
ご相談を伺ってから本格的に設計をすすめる為の前の段階として基本設計契約というのを設けいています。
設計監理契約に至る前の段階の基本設計契約とは?
いきなり本格的な設計監理業務へ移行する設計監理契約は不安だと思います。
そのため、費用をいただいていますがご要望を伺ってプレゼンテーションを提出いたします。
費用は設計監理費の10%です。
本格的な設計業務へ移行し、設計監理契約となれば設計監理費用は基本設計費を差し引いた金額になります。
まずは基本設計契約を結び、ご要望を伺ってプレゼンテーションを作成いたします。
基本設計契約の内容は以下の段取りで進めます。
- 役所調査や現地調査
- 間取り作成
- 納得のいくまで打合せ・メール・チャット等を繰り返します
- 平面図、立面図、断面図、模型、イメージパース、概算の予算と工程表を作成
ご提案をするためにしっかりとお話を伺って内容をまとめますのでお時間をおおよそ1ヶ月~2ヶ月いただいております。
一旦ご要望を伺って間取りを作成します。
その後お打ち合わせをしますがこの段階でご納得できるプランになるものもありますが、その後何度かのお打ち合わせを繰り返しながら間取りを作成する場合もあります。
ご納得できるプランが出来上がれば、最終のプレゼンテーションを作成いたします。
この段階で住まいに対する想いを共有させていただきたいと思っています。
また、住まいに対する意見交換をさせていただきたいと思っています。
ただ、ご提案するにしても、やはりしっかりと内容を見極めて、かつ、ご要望を聞きながら不安や疑問を解消しなければなりません。
ご要望がそのまま全て叶えられるかどうかの検討も必要になってくると思います。
案はどんなものを提案してくれますか?
平面図、立面図、断面図、模型、イメージパース、概算の予算と工程表など、一通りの住まいのプレゼンテーションを提案します。
基本設計のプレゼンテーションにご納得いただければ、本格的な設計監理契約へ進めさせていただきます。
┃基本設計契約時には、設計監理費の10%のお支払いが発生します。
┃土地の測量(大きさや高低差)が必要な場合は別途測量が必要です。
3.本格的な設計業務~設計監理契約~
ここまでの流れで提案したプレゼンテーション内容で進められるとご判断されて、疑問や不安を解消できそうであれば、本格的な設計業務となります。
設計業務をすすめるにあたっては、設計監理委託契約をしていただくことになります。ここからは具体的な実施設計を始めていきます。
ぜひご家族の皆さんでご相談して決めてください。
実施設計から工事、また完成へ目指して進みます。
設計監理委託契約をしますと、本格的な設計業務にすすめていきます。
設計業務の基本的な流れは、
基本設計→実施設計→申請→見積もり→工事着工→完成→引き渡し
となります。
┃設計監理契約時には、設計監理費の20%のお支払いが発生します。
4.実施設計で詳細な内容を決めていきます
住まい全体の内容を決めていきます。
プレゼンテーションで作成した資料を元に、詳細な図面を作成していきます。
具体的には、基本設計で確定した平面図、立面図、断面図をさらに展開図や詳細図などを作成して、仕上げ素材の選定、キッチンや水回りの詳細などを打合せを繰り返しながら決定してきます。
また、空調や電気、照明、コンセントなどの設備機器の選定をして、決定します。
構造設計や断熱性能などの性能や外構周りなど、この実施設計の段階で決めます。
仕上げ材料などのサンプルもご用意して選定します。
打合せした内容を図面に落とし込み、意匠・構造・設備の全ての設計図面を作成します。
実施設計の期間は2ヶ月~3ヶ月程度必要になります。
5.各種申請期間
建築確認申請が必要になります。
土地の大きさ等によっては開発許可申請が必要だったりもします。
建築確認申請が審査が終わり建築確認済証が交付されるのは、一般的な住宅であれば(市役所の経由期間の有る無しにもよりますが)半月~1ヶ月程度かかります。
その他にも、埋蔵文化財や消防、など各行政との協議が必要な場合もあります。
┃建築確認済証交付時には、設計監理費の30%のお支払いが発生します。
6.見積もり期間と調整期間
申請期間と平行して設計図面を工務店に渡して見積もりを依頼します。
ご希望の工務店がある場合はご相談ください。
見積もりは内容を確認してご希望の予算に収まらない場合はVE(ヴァリューエンジニアリング)案の検討や材料の選定の見直しなど設計内容の見直しをしながら調整します。
希望している予算よりもコストが上振れする場合が多いですが、これから住まう家にたいしての希望や要望を盛り込むとそれに比例してコストが増えていきます。
7.工務店と工事請負契約
見積もり金額が決まり、工事内容が決まれば、お施主さんと工務店との工事請負契約になります。
ここまでで半年くらいかかります。
工事の工程や今後のスケジュールの確認をして、建築確認申請が降りれば
いよいよ工事着工です。
8.工事スタート
建築確認済証が交付され、工事請負契約が済めばいよいよ工事スタートです。
新築工事の場合は、地鎮祭を行ってから工事着工となります。
一般的な住宅であれば工事期間はおおよそ5ヶ月~7ヶ月くらいかかります。
9.工事監理をします
工事着工後、工事中は設計事務所は設計者として工事監理をします。
おおよそ1週間に1回程度のペースで現場に行き現場にて現場監督や大工さんと打合せします。
上棟した後、住まいのカタチができてきた段階からお施主さんにもお出でいただき、
素材の色や質感などの確認や生活する上での使いやすい高さや寸法などの確認を行い確定します。
また、工事中には中間検査があり、基礎の配筋工事や屋根の小屋組みの工事の段階で、確認申請を行った検査機関の立ち会い検査が行われます。
中間検査に合格してから、次の工事工程に進むことができます。
中間検査は地域によっても規模によっても必要な検査の種類やタイミングが違います。
工程通りに工事が進んでいるかの確認なども行います。
┃上棟時には、設計監理費の30%のお支払いが発生します。
10.建物竣工→引き渡し
住まいが完成すれば、完了検査を行います。
完了検査を受けて問題がなければ、完了検査済証を行政や検査機関から交付されます。
また、設計事務所や工務店、お施主さんの検査も行い、問題が無いかを確認してから工務店から引き渡しとなります。
完了検査済証と合わせて建築確認申請や工事管理報告書などの書類と竣工図面もお渡しします。工務店からの引き渡し書類と合わせて大事に保管してください。
差し支え無ければ、竣工写真の撮影や内覧会や見学会をさせていていただきます。
┃業務完了時には。設計監理費の10%のお支払いが発生します。
┃また、追加費用が発生した場合もこの時点でのお支払いとなります。
11.経年検査
竣工してから一年後に経年検査を行います。
住んでみて、問題がないか?住まいの状態を確認し、不具合があれば工務店にメンテナンスしていただきます。
【参考】住まいづくりの費用
住まいを新築する場合には様々な費用がかかります。
参考までに住まいづくりに必要な大まかな費用を記載しておきます。
費用は以下の4つの項目に分けることができます。
- 本体工事費
- その他工事費
- 設計監理費
- 諸経費
- 消費税
※本体工事費+その他工事費=建築工事費として表現しています。
1.本体工事費
本体工事費は文字通り建物の本体にかかる費用です。
注文住宅で木造の2階建てで40坪程度で70万~90万/坪になるケースが多いです。
金額は、建物の構造や規模や土地や敷地の周辺状況などによっても変わります。
2.その他工事費
その他工事費に含まれるものとしては、下記があります。
- 地盤改良費
- 外構工事費
- 照明器具工事費(工事に含む場合)
- カーテン工事費(工事に含む場合)
- 空調、床暖房、特殊設備工事費(工事に含む場合)
- 上下水道、TEL等引き込み工事費
上記の1.本体工事費と2.その他工事をあわせて「建築工事費」となります。
その他工事費はおおよそ本体工事費の20%を見込んでおくといいかと思います。
3.設計監理費
設計監理費は建築工事費の10%を基準としています。
設計業務から監理業務~引き渡しまでの、おおよそ1年間の業務となります。
設計監理費に関しては後述で詳しく記載します。
4.諸経費
諸経費は手数料や申請費用などの費用や土地家屋調査士や司法書士などへの報酬などを含んでいます。また、近隣対策費用や祭事費用などもここに含まれます。
- 建築確認申請手数料(フラット35などを受ける場合はそれらの費用)
- 近隣対策費用
- 近隣挨拶費用
- 地鎮祭、上棟式など祭事、祝儀費用
- 引っ越し費用(建て替えの場合は2回必要になります)
- 建物表示登記費用
- 土地、建物登記費用
- 住宅ローン手数料
- 団体信用生命保険特約料
- 火災保険料
- 滅失登記費用(建て替えの場合)
- 仮住まい費用(建て替えの場合)
諸経費は様々な費用がかかってきます。当初の予算計画では少なくとも建築工事費と設計監理費を足した金額の約5%は見込んでおく必要があると思います。
その他の費用としてもご準備を検討しておくべきものとしては
ソファーやテーブル、椅子などの生活家具
TV、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品
カーテン、玄関マットなど
新生活を始めるにあたっては何かと新しくしたくなるので、考慮しておいたほうがいいかもしれません。
5.消費税
工事金額が大きくなると、消費税の10%は当然ながら大きくなります。
また、一般的には建築関連でやり取りさせる会話の中での金額の話は消費税別としている場合がほとんどですので、一応項目として記載しておきました。
設計監理費用は?
住宅の新築の場合、設計監理費用は建築工事費の10%を基準としています。
お支払いは各業務工程に分けてお支払いいただくようにお願いいたします。
お支払い時期の振り分けは以下のように設定しております。
- 基本設計契約時10%
- 設計監理契約時20%
- 建築確認申請受理時30%
- 上棟時30%
- 設計監理業務完了時10%(±追加発生費用)
建築工事費は最終工事金額になりますので、契約当初は想定されている工事金額を建築工事費として計算いたしますが、最終工事金額が決定した際に変動した差額費用は最終のお支払い時に追加費用として精算させていただくようにしております。
設計監理契約とは別に基本設計契約を設けています。
基本設計契約費用は設計監理契約の10%に設定しています。
別途費用に関して
以下は設計費用に含まれない別途必要になる費用です。
- 測量調査費(土地の大きさや高低差などの測量が必要な場合)
- 地盤調査費(通常はスウェーデン式サウンディング試験)約5万円程度
- 各種申請手数料(確認申請、中間、完了検査等の検査機関に支払う費用)約20万円程度
- 建築確認申請以外の開発許可申請等の費用と手数料(別途相談)
- フラット35、長期優良住宅、性能評価等の申請の費用と手数料(別途相談)
- 構造計算、構造設計費(木造住宅において耐震等級3を取得いたします)約15万円程度
- 地鎮祭、上棟式等の費用
- 建物表示登記などに関る費用
- 遠方の場合の交通費
- 近隣対策等の費用
【参考】全体の期間
下記の期間は参考で一般的な住宅を想定した場合です。
基本設計は1ヶ月~2ヶ月くらい
実施設計は2ヶ月~3ヶ月くらい
申請期間は2週間~1ヶ月くらい
見積もりは1ヶ月くらい
工事期間は5ヶ月~7ヶ月くらい
となります。
おおよそ、基本設計をはじめてから竣工・引き渡しまでは1年くらいはかかると思います。
特殊な場合や、大きな規模の場合はそれ以上かかることもあります。
お施主さんにとっては、住まいを新築してから引っ越しの準備やお子さんの学校の入学や転校などの時期もあったりすると思います。
希望を伺った上で計画を立ててスケジュールの提案を行います。